アイデアを作る実際的な方法、手順について第一段階は、資料を収集することである。
至極単純明瞭な真理として記し、どんなに無視されているかと嘆き、その方法を説いている。
この作業については、生易しいものではなく、雑になりがちで、ごまかそうとするとして重要性を声高に伝えている。
集めてこなければならない資料として
- 特殊資料
- 一般的資料
がある。
特殊資料は、製品と売りたいと想定する人々についての資料。
つまり、何を誰に売るのかという、基本中の基本。
重要性を耳にし、口にしているものの実際には、滅多にやっていないと喝破する。
有名な小説家の勉強法として、タクシー運転手の例を挙げ、身近な顧客について掘り下げることの必要性を説いている。
つまり、製品とある種の消費者との間に、アイデアを生むかもしれない関係の特殊性が見つかる可能性があるとしている。
又、一般的資料を集める人物の特徴としてエジプトの埋葬習慣からモダンアートまで、興味を感じることのできないテーマは、一つも存在しないとし、ありとあらゆることに興味を持つ。
更に、どんな知識でもむさぼり食うとしている。
要は、何かと何かをつなげるための努力と工夫を常に継続しているということになる。
広告のアイデアについて、製品と消費者に関する特殊知識と人生とこの世の種々様々な出来事についての一般的知識との新しい組み合わせから生まれてくると記されている。
実際に、私たちはどうだろうか?
情報収集の重要さは、確かに知っている。
競合先の調査や確認を行っている。
しかし、競争が激しく、目まぐるしく変わる社会や消費者動向はやはり後回しとして、小手先の広告に振り回されている。
競合先との比較や価格競争に陥ってしまいがちとなる。
- 自社の製品(商品・サービス)を知る
- 顧客を知る
- 関連性を読み解く
- 社会情勢、環境、動向を把握する
- すべてをつなげて考える
これらのことを、継続的に資料収集することが新しいアイデアを生み、マーケティングを進化させる基盤であると考えられる。