思考の整理とは、いかにうまく忘れるか、である。
このことが、ビジネスにおけるコピーライティングにつながっている。
頭をよく働かせるには、【忘れる】ことが、きわめて大切である。
だから、書くということがある。メモ・ノートは、確かに忘れないように書き留める。
そして、整理する。忘れることで、思考の整理が進む
としている。
本書では、学校の時間割を取り上げて、効率的だと評価し、休み時間の効用も記している。
つまり、休みながら進めることで、続けるよりも効率的であることや散歩や運動の気分転換も必要だとしている。
確かに、考え続けることは難しい。
自分のアタマの中にある情報のみで、思考を続けるよりも新しい情報を取り入れたり、アウトプットして整理しなければ考えがまとまらないという経験は、誰しもある。
思考にも、収穫逓減の法則という、農業で言われることを用いて知識量も飽和状態があるとし、忘れること・捨てることが重要
だとしている。
そして、思考を整理する上で重要なこととして、【書くこと】の重要性を説く。
考えているだけではうまくまとまらないことが、書いてみると、はっきりしてくる。
確かに、何を書こうかと思い悩むよりも、書き始めることで筆が進むという経験は多い。
更に、書くことを重ねることで、【純化】するとしている。
洗練され、思考が昇華されていく。
例として、平家物語をあげ、語られてきたことで洗練され書かれたことで、より純化されてきたものとしている。
そして、思考を整理する上では、【テーマ(主題)】が必要であり、一文(シングル・センテンス)で表現されるものでなければならない。と、論文作成指導書から引用している。
何かを伝える時には、【何】を伝えたいかということが明確でなければならないのは当たり前のことであるが、書き進めるうちに離れることは、思い当たる。
思考を整理することについて、ビジネスでは、対象顧客に伝えるということ部分に役立てることが出来る。
対象顧客に、伝えたいことは、たくさんある。
何を伝えるかということを整理しなければならない。
他社との違い、優位性を伝えられなければ、選ばれない。
一文(シングル・センテンス)で表現するということは、コピーライティングである。
多くの知識や情報を整理し、不必要な価値観を捨て去り、一文で伝える。
思いつきではなく、思考が整理された結果としてのコピーライティングであるべきだということ。
本書では、生木のアイデアという表現で記されている。
住宅で使用される木材は、生木ではなく、水分が抜かれた木材が使われることからの比喩であるが、思いつきは生木のアイデアでありそこから、思考する必要がある。
しかし、思考を整理して結果として、一文で表現することは容易でなく何度も修正され、繰り返される。
つまり、純化されていく。
そのプロセスの超える方法が紹介されている。
【褒める】という方法。
ほめられた人の思考は、活発になる。
と記されている。
ほめながら、コピーライティングを練っていく・・・。
否定、検討、修正・・・ほめられることの少ないコピーライティングが効率よく純化される方法の一つだと思われる。
思考の整理は、考える、忘れるの繰り返し。
そのプロセスで、インプットも行い、書くというアウトプットで純化させながら進んでいく。
生木のアイデアに翻弄されることのないように注意。
そして、思考が整理された上で純化したコピーをつくりたい。