ホイラーの3原則
その1 平均の法則
ころがりません!、という角型選択バサミの話が紹介されています。当時、一般的だった丸型選択バサミより高い価格だった後発商品。
この商品価値(シズル)を表現したのが、「ころがらない」
という形態上の特長と顧客である主婦の利便性に訴求した
フレーズ(コピー)で売れたというエピソード。
他には、インディアンのモカシン(皮靴)を、「本物のインディアンの靴」として販売した話。
顧客の商品価値(シズル)は、具体的な顧客像と顧客の心情や場面にフォーカスする、と伝えてくれています。
平均の法則とされているのは、顧客を絞り込み、心情や場面まで落とし込んだところで、商品価値を伝えるフレーズ(コピー)が多くの顧客に伝わるのだから、一人の顧客のことを考えたことが平均的に顧客に伝わるということです。
今では、ペルソナという言葉で、顧客像を設定したり、
カスタマージャーニーと称して、顧客との接点やアプローチを設計したりと、手法は変われど、ターゲットを絞り込むという点は、昔から行われていたことだということです。
フィリップ・コトラー先生が提唱したマーケティング理論の中に、STP分析というものがありますが、これの「T」がターゲティング。「S」セグメントと「P]ポジショニングは、また後日。
二千年前にお客様に売れた心の動きが、今日のお客様にも売るのである。と、書かれています。
たった一人のお客様のことを考えて、そのお客様の場面やその時の心情を読み取ることで、商品価値を伝えるフレーズを考えてみる。
ターゲティング手法の一つである、「顧客プロファイリング」と同じ。
顧客層、顧客像、上得意客、理想の顧客像と、プロファイルする際にも、どのようにターゲット設定するかで異なるからこそ、先ずは1人のお客様から、その人物像と場面を考えてみるということは、忘れてしまいがち。
自分のビジネスで取り扱っている商品やサービス毎に、それぞれ一人のお客様のことを考えてみる・・・突破口が生まれるかもしれません。