組織構造は、目的達成のための手段であり、
組織の健康を判定する基準は、成果である。
と、組織構造についても成果のためと結論づけている。
職能型、分権型、チーム型などの組織構造のメリット・デメリットが掲げられているものの
それは、成果のためにある。
本書内では、【構造は、戦略に従う】として
事業は何であるか、何になるか、何であるべきか
という問いに対する答えを得るための成果を上げるものとして、組織構造があるとしている。
つまり、どのような戦略によって事業を継続し拡大・拡張し、成果をもたらすかにより、組織構造は、各企業で異なる。
小規模でも、中規模・大規模であれ、そのカタチは、様々である。
正解は、存在しない。
そして、
成果のための各種分析と活動が存在し、組織条件が定まり、成果に向かわなければならない。
組織条件、すなわちルールは、明快でありシンプルでなければならないと説く。
私たち中小企業は、人・モノの資源に余裕なく資金も同様であり、情報管理も脆弱である。
しかし、成果(売上・利益)を拡大する過程では組織を強化し拡張するという局面に遭遇する。
その際には、不足する人員、部署、能力などを補強していくのであるが、組織構造までを戦略的に設計するまでには至らず、結果的には曖昧な組織のまま機能しているという状態に陥ることが多い。
又、採用リスクが高まる中においては、各部署において外部委託を行うことから、外部連携も常態化している。
このような環境下において、組織構造を設計する上で何を基準に判断するかということが、本書において明確に指示されており、それが【成果】である。
要は、成果を上げることが組織の目的であれば、いかなる型であろうが、とらわれる必要はない。
ただし、組織条件のルールは必要であり、明快でシンプルであることで、チームマネジメントとして機能を発揮することとなる。
トップとしての役割と機能、マネージャーとしての責任、各部門や担当者の業務が明確であれば、チームは意思を持って、目的である成果に向かう。
各人の性質や性格、各種事情や感情がもつれあい、絡み合う中、目的を成果のみに定めることで、言動や行動、意識を統一することとなる。
脆弱な組織構造でありながら、成果に向かう組織こそが現実ではないだろうか。
成果へ向かう過程こそが、事業とは何か、何になるか、何であるべきかという問いに応える企業活動であり、成果こそが、その答えである。