MANAGEMENT 基本と原則
市場において、目指すべき地位は、最大ではなく最適である。
この意味として、もう一つのマーケティングの目標は、市場地位の目標である。
と、している。
市場地位、つまりポジショニング。
最大の地位を目指すということは、市場シェアとなるが、中小企業においては、最適の地位を定めることから始まる。
特定の商品又は専門的市場における市場シェアは、技術的なことや専門性のレベルにおいて可能なもののこれも、特別であることに違いない。
では、中小企業における市場地位、ポジショニングとは。
端的に言えば、優位性を取れる場所であり、競合先に勝てる場所のことである。
地域内、商圏内での地域No.1は、代表例であり、キャッチコピー等で、よく目にするところである。
ほとんどの中小企業が、そうでないことから自社の得意分野、得意領域、競合と比較した優位性を築ける場所を特定することが、望ましい。
往々にして、競合先に優位性を築こうとした場合には、価格、品質、サービスが掲げられる。
これらは確かに優位性に違いないが、資本力や技術力、経営資源の差となり、小資本には不利である。
もちろん、これらを優位性にして突破口を定めて、競合先よりも早い展開で事業を拡大することで、市場地位を築き上げた企業も多数あるが、その過程においても、市場地位を獲得するという目標までには、相応のリスクと労力を要する。
小資本の中小企業における、市場地位。
そこにヒントがあるとしたら、
- 迅速な決断と行動
- 小さな数と量
に可能性を見出すことが出来る。
前記にある、価格・品質・サービスの数と量は小資本では対応することが難しい。
しかし、小さな部分になると、見出せるものも多い。
例えば、小ロットや小単価。
大ロットと比較した場合には、割高になるものの【小】を望む顧客には、通用する切り口である。
そこに、迅速な対応が加わることで、顧客の要望に応えるという優位性を築くことが出来る。
又、競合との優位性は、購入前の検討段階において比較されることが多いのであれば、購入後の対応や契約後の対応という、既に無償でサービスしている事柄について、整理することは優位性の切り口であり、商圏内における、「親身」・「面倒見」を望む顧客は少なくない。
中小企業で、市場地位の目標=ポジショニングを意識しているところは、多くない。
市場地位を定めていれば、SNS活用も情報コンテンツも対象としている顧客(ターゲット)に、届きやすい。
このことは、ひいてはブランディング戦略につながる。
中小企業だからこそ、市場地位、ポジショニングを明確にすることが、差別化の第一歩と言える。