不連続であり、ある段階で自らを変えなければならない。
そして、成長には戦略が必要である。準備が必要である。
なりたいと思うことに焦点を合わせた行動が必要である。
しかし、トップに変革の意思がなければ無駄になる。
と、成長における条件を羅列し、更にはトップの役割の大きさを指摘する。
本書では、IBMの事例が紹介されているが、要は前社長の交代により、飛躍的に成長したという事例。
つまり、トップの意思が成長に不可欠としている。
更に、成長に深く関係のあるイノベーション戦略では、第一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的にかつ体系的に捨てることだとし、1つの成功が9つの失敗の埋め合わせをするように、高い目標を掲げるべきだと説く。
成功率は、わずか10%しかない。
その環境下において、変化を脅威ではなく、機会と捉え、非現実的なアイデアについて奨励している。
これらのことについては、アタマでは理解できる。
行動に移すには、勇気が必要である。投機ではなく、投資を行うための予算や準備、これらの目的と目標、完遂するための実行力と一大プロジェクトとしての取り組みとなる。
変化を機会と捉えることは、経営の名言として語られることが多く、経営者の多くは、取り組みたいと考えるはずである。
しかし、私たち中小企業の多くは、足踏みしてしまう。
最初の一歩を踏み出せない。
暗黙知で、9つの失敗を感じているからかもしれない。
成長したくない経営者は、おそらくいない。
イノベーションによる前進・発展を嫌がるという経営者も、存在しないと思われる。
中小企業の継続と成長は、どのように実現しているか。
現実は、遅れつつも時代に適応していくこと他ない。
遅れ過ぎた時には、手遅れとなる場合も少なくない。
時代に適合したスピード感と適応力により、先駆者利益を享受する場合もある。
今後は、ますますスピード感が重要視される時代。
テクノロジーの発達は止まらない。
市場を創造する企業となるか、市場に適応する企業か、市場に追いつけない企業で、命運は変わる。
成長への体制(準備)を整え、戦略を練り上げてイノベーションにスピード感を持ち、実行する。
要は、無理にでも実行することが、成長への扉が開く唯一の方法だと思われる。
ところが、中小企業における経営資源は、多くない。
何を無理するか・・・現状業務の労力×時間=効率を最大限に引き上げる努力が、新たな時間と労力を生む。
そのために、投資可能であれば人員増加、設備増強などを図ることで、より明確に労力を創造できる。
中小企業の成長とイノベーションには、労力捻出を最初の一歩とし、トップの指揮下で取り組むことが成長とイノベーションを起動させる。
更に、トップの確固たる方針と行動力こそが組織の志気を鼓舞する。
大きな樹木も、小さな発芽から育つように力強い一歩を踏み出せる準備から始めることが必ず成長とイノベーションを生む。