経済は感情で動く
3つあると、真ん中を選ぶ。
本書で、特に有名になった松竹梅の法則又はゴルディロックス効果と呼ばれるもの。
極端の回避性としても説明される。
いくつかの例が紹介されているが、要は、条件設定されている中から選ぶという行為。
価格差、品質差、価値差は、個人差があるはずだが選ぶという行為では、真ん中を選んでしまう確率が高いというもの。
ビジネスでは、日常的に使用されている。
ランチを選ぶのも、Webサービスのコースを選ぶのも変わりなく、3種類が用意されていることがほとんど。
価格戦略やプロモーションに通じる方法とも言える。
売りたい商品・サービスを中心価格に据えて、上下の価格を設定。
よくあるパターンは、
- 40~60%差
- 30 50 70
- ×1.6,×1.4
偶数では、どうだろうか。
上記と同比率で羅列してみる。
20 32 51
キリが悪く、わかりにくい。
20 40 60
と、偶数の倍数が、価格差であれば対応するだけの品質差がなければ・・・と考えてしまう。
このように考えると、3つを並べる場合には価格差、品質差、価値差のバランスも考慮すべきだと考えられる。
選ぶという行為を説明する上で、本書では【正当な理由が必要】と説いている。
例として、旅行チケットの購入に関して
- 試験に合格したら買う
- 不合格でも買う
という例が紹介され、いづれも買うという選択。
ところが、合否がわからない状態であれば買うかどうかを決められないという不安定な状態に陥ることが挙げられている。
そこで、正当な理由として、合格であれば、ご褒美。
不合格であれば、労い。
という理由がつくという。
つまり、選択する場合には、理由が必要。
3つから選択する場合でも理由を述べられる要因を用意しておくべきだということ。
さらに、顧客が選択する上で、不安定な状態ではセールスしてはならないということ。
現代においては、ECサイトで購入する際に、他社との比較検討が当たり前であり、選択肢が自社内にとどまらない。
他社比較を含めた3つの選択肢で、真ん中に位置しているか否か、重要なポジショニングである。
更に、選択する理由として、付加されるサービス、特典や制度(ポイント等)も、考慮すべき事項となる。
ECサイトを例に挙げたものの、他の商品・サービスも同様であり、情報探索し比較する時代では、日常茶飯事の顧客行動を理解し、対応すべきである。
3つの中から、真ん中を選ぶという単純な理解では実際のビジネスでは、通用しない。