経済は感情で動く
あなたは、大事なことを決めるときに、サイコロを振るか。
実は、私たちは、大事なことを決める際に、賽を振るがごとく判断しているかもしれない・・・。
経済は感情で動く。
2008年4月初版、衝撃作として世界中でベストセラーとなった書籍。
本書で書かれたテーマ「非合理の判断」
このような事例が書かれている。
ダイエットをしなければならないのに、パンにクリームをたっぷり塗る。
内臓からの要求に負けて、ひとときの快楽を味わうために、将来の健康にはちょっとだけ目をつぶることにしてしまう。
自分ではなくても、身の回りにこのような人は想像できる。
なぜ、ヒトはこのような判断をしてしまうのか。
性なのか、質なのか。
本書のまえがきから、軽妙な文章でありながら、インパクトのある事実が突きつけられる。
勘定と感情の闘いとも言える、数々の事実。
脂肪分5%のヨーグルト VS 無脂肪分95%のヨーグルトの結果は、後者を選ぶというような・・・。
著者曰く、私たちは、知りもしないことを知っているつもり。
実際以上の力量やも能力を持っていると信じている。
うぬぼれが強く、しくじりは運のせいにし、成功は自分の力量とする。
見たいものだけ目に入り、事実の矛盾より、自分の信念と偏見を捨てない。
このような性質であり、非合理に判断するとしたら・・・。
本書は、消費者視点からはディフェンス的役割として。
企業側からは、アプローチの視点として、十分に活用すべき内容である。
悪用は言語道断。
迷える消費者、顧客を救うために、本書は活用されるべきだと考える。
3パート18項目の内容は、どれも自分自身にも思い当たる。
マーケティング業界内でも、ダイレクトマーケティングの分野では、既に、ずい分と昔から言われていたことがある。
「顧客は、感情でモノを買う」
もちろん、ヒトにもタイプあり、特典や割引を好むという傾向やデータや証拠がないと信じないという傾向、多くの支持を信じる傾向などがあるものの、それぞれの傾向にアプローチする上では、【感情を揺さぶる】ということが必要になる。
本書では、感情の揺さぶり方ではなく、感情が揺さぶられる条件や環境、要因を知ることが出来る。
外的な条件、環境、要因を知らなければ、内的な感情は揺さぶれない。
これから本書で、この外的影響を把握することで、ビジネスに役立てる内容としてお届けしたい。