マネジメントは、企業の基礎資源である。
マネジメントがいかにマネジメントし、されるかで組織の目的が達成されるか否かは決まる。
と、マネジメントの必要性が事例で示される。
フォード、三菱、GM等の有名企業の共通項は、経営者と一部のみに権限と責任が集中していたことで機能不全に陥ったということ。
企業の成長には、マネジメントが不可欠であり必要であることを論じている。
私たち中小企業は、永きにわたり権限集中型である。
業種・業界が違えども、社会構造的な理由も重なり、親方的事業形態が継続されてきた。
その型は、数十年来にわたり変化がないように思える。
しかし、昨今のベンチャー企業は異なる。
理由の一因として、地域、業界、雇用状態のボーダレス化が環境変化を起こしたものとも考えられる。
参加しているメンバーが機能と役割を理解し、それぞれの権限と責任で、業務を拡張している。
いわば、ジェネレーションが中小企業の型を変えている。
又、ファブレス言われる、持たざる経営の型で成長する中小企業も、業務委託、外注という組織外部をマネジメントし、機能している。
従前の企業成長は、規模を拡大するためのマネジメントだったものが、今では成長や進化を止めないためのマネジメントと言える。
本書内では、マネジメント不全の状況について、ボスに気に入られることが成果よりも重要だと記されているが、イマドキの企業では成果を最重要と認識している。
属人的なリーダーシップ、チームワーク、様々な業務スキルよりも、組織最適化による成果を図ることが、成長・進化のプロセスとなっている。
これらのことは、インターネットというインフラとパソコン・スマホという機器の技術革新、それを求める時代のスピードに適合したと思われる。
しかし、成果を最重要とし、機能させる理由を旗印として掲げても、人の感情が邪魔をする。
経営者や管理者の誇り、プライド。
チーム内における人間関係。
言動、行動、所作の全てが、繋がっている。
アットホーム型であっても、ドライタイプでも共通項は、ルールに尽きる。
そのルールの定めるにあたり、ポリシーやミッション、指針や理念というものを掲げ、更に、公平・公正な基準が必要となる。
そして、新興勢力と言えるイマドキの中小企業がこれまでの中小企業と異なる点として、価値観の変化があると思われる。
一時期の所有欲よりも、将来の可能性を重視する。
必要・不必要の価値観、投資の価値観、これらは、経営の価値観に通じていて個よりも社会・全体を重視する。
とは言え、マネジメント機能の根底は昔も今も変わらない。
マネジメントという基礎資源が機能しなければ組織の成長・進化は望めない。
組織共通の目的を達成するために、マネジメントの方法論が変わるとしても組織は、マネジメント(管理・運営)により成立し、継続する。
マネジメントは、時代で変わる。
時代とともに、シフトチェンジをするためにも、マネジメントは必要である。