真の管理とは
人はいかに賞され罰せられるかによって左右される。
マネジメント技能の管理手法について、その根源は賞罰であると説明している。
賞罰こそ、組織の目的、価値観、自らの位置づけと役割を教えるものとして、この制度が管理の基本だと締めくくっている。
管理の特性として、
- 中立的であること
- 成果の焦点を合わせること
- 測定不能な事象も適用すること
と、内部ばかりにとらわれず、外部にも目を向けることや、イノベーションを発動させるための起業家的活動の重要性も説いている。
更に、管理の要件としては、いくつかの要件を提示しているものの、最終的には、効率的で単純であることを明示している。
私たち中小企業の多くが、出来ていると思い込み、不用意に取り組めないのが、管理である。
信賞必罰は、就業規則上は明記されている。
しかし、運用されている場合は、多くない。
故に、組織ルールが曖昧となり、システムは稼働しない。
常に、特例や恩赦のような処遇を行っていれば、規則も規制も役には立たない。
報告・連絡・相談についても、管理ルールに基づき、上司と部下の間には、口頭もあれば稟議もあり、時には書面も必要であるものの、曖昧であれば機能しない。
賞に関しても、評価基準や評価体系が存在しなければ何を持って賞であるかも定かではないし、その賞がどのように組織的な貢献や個人の評価に繋がるかという制度がなければ、単なる賛辞に終わってしまい、有能な人材を惹きつけることも、引き止めることも出来ない。
何が賞で、何が罰か。
この最もシンプルでストレートな設問に対する回答から、管理がスタートする。
更に、管理基準が整理され、運用されていても、アップデートが不可欠だと言える。
時代の流れの早さから、組織に求められる能力は刻々と変化する。
属人的に対応することなく、組織的に対応することが今後の組織力強化につながる。
人は、間違いもあれば、過ちも犯す。
絶対的禁止事項は、法的遵守はもちろん、社会通念上にあるハラスメント等も、変化していく。
組織内に周知徹底するシステムがなければ、賞も罰も、認知されず、理解もされない。
【管理】については、組織の規模や体制、経営者の方針や内部や外部の環境によっても異なる。