決算が終わり、税務申告と一緒に経営分析が届けられる・・・。
昔、会計事務所に勤務していた時には、私も会計ソフトから出力される経営分析を顧問先にお渡ししていました。(もう、20年以上前のことですが)
更に、コンサルタントの駆け出しは、経営診断業務をやっていたので経営分析して、業界指標やデータと比較していました。
それはそれで、お役に立っていたと思うのですが、ちょっと違うと思い始めたのは、中小企業の会計基準がバラバラで業種や業態で、原価や費用の考え方も違うということについて考え始めたからでした。
その後、中小会計要領なるものが制定され(H24年2月策定)、政府系融資や補助金対象の会計ルールになっていきました。
最近になると、コロナ融資が終わり、金融機関の対応が厳しい等と言われる中で、私たち中小企業が環境に適応する必要が出ています。
要は、継続的な融資が必要な場合には、金融機関の評価に見合う決算書にする努力が必要だということです。
そのためには、経営分析を知っておいた方がいいとなります。
収益性・安全性・生産性の3つが大きな柱です。
中小企業庁の財務サポートには、いろいろな資料があります。
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaikei/index.html
中小機構には、経営自己診断システムというものもあります。
https://k-sindan.smrj.go.jp/
企業会計原則には、7つの原則というものがあり、その中に、「継続性の原則」で、会計の方法をみだりに変更しないということもありますが、正しく変更するのは経営には必要です。
つまり、現在の会計処理や方式で行われている原価や経費について再確認することで、売上総利益の利益率が上がること(下がることも)もあります。
売上総利益が上がると、収益性の評価が上がります。
と、いう具合に、税理士さんに相談や確認して、見直すタイミングでもあるということです。
決算書については、やはり融資に最も活用されるものですから、融資判断に使用される判断基準に合わせるのが適切だと思います。
ところが、実際の経営となると・・・。
分析観点が異なってきます。
- 固定費と変動費を分ける、損益分岐点分析
- 売上に対する、費用対効果
- キャッシュフロー分析
等と、自社の状態や環境に応じて、必要なことが違ってきます。
このようなことは、決算書の経営分析とは別にやるべき経営管理の内容になります。
ところで、自社には、どのような分析が必要かということは、中小企業経営者は言われなくても、知っています。
自分も、中小企業経営者ですから、もちろんわかります。
しかも、わかっていることを言われるのは、正直面白いものではありません。
自己分析や自己診断は、見たくない現実も見なくてはならないのですが、そこから、次の展開が開けます。
コロナ禍から、次の社会が動く時代だからこそ、私たち中小企業の基盤である会計部分を見直して、活用するタイミングだと思います。