ホイラーの法則
事例やポイントのワンポイント解説
本では、ホイラーの公式5か条と3原則を伝えた後には、当時の事例を交えて、この8つのことを振り返っています。
事例が、80年以上の前のアメリカですから、話としては、理解できるけれど、やはり古い話となります。
ですから、この事例紹介の中から、ポイントとなると思われる部分を、私なりの解釈で、現代の事例に置き換えてお伝えしてみます。
【最初の10語】
シズル(顧客の価値)を見つけ、言葉を短く凝縮して、相手に伝えることは、後に続く10,000語よりも、重要だとしています。
このようなことは、今でも言われます。
御社の特長(商品の特長)を一言で言うと・・・
ほとんどの人が言葉に詰まります。
私も、そうでした。
ちなみに、私の特長は、「元刑事」です。
と、言うと、興味を持ってもらえます。
ただ、仕事の内容ではないので、面白そうというだけで仕事のスキルや実績につながらないので、セールスとしてはNGです。
例えば、
「中小企業の売上を上げています」・・・ どうも生意気に聞こえますし、仕事の内容がわかりにくいから、NG。
この最初の10語は、法則第1条にある、シズルとユー能力(顧客視点)から、考える必要があります。
私は、マーケティング(売ること全般)が仕事ですから、ツールの使い方のプロなのか、何かの分野でエキスパートなのか、ここでは、ターゲットを絞り込む必要もあります。
ここで、自分の仕事を振り返ると「器用貧乏」が災いしてししまいます。
インターネットマーケティングや広告も、設計も設定もやるのですが、それが主たる仕事ではないのです。
時代のトレンドに乗る方法もありますが、それが自分の特長として、特異専門性や競争優位性があるかと言えば、そうでもないとなります。
中小企業のコンサルティングを長年やってきて、経営者の方々のアタマを悩まし、解決して喜ばれたこと・・・。
「新規集客で貢献」(7語)
新規集客という言葉は、経営にとっては必要なことです。
更に、貢献という言葉は、実績があるからこそ、使える言葉として、選びました。
この言葉でも、尖ってはいないことから、まだ詰めていく必要はありますが、参考になるとは思います。
短い言葉(10語)に、自社(商品)の特長を凝縮して伝えることは、非常に重要だと言えます。
【10秒の注意】
広告にしても、セールスにしても、顧客が集中する時間は最初であることは、疑う余地はないと思います。
ヒトは、どのくらいの時間に集中できるかというデータが2017年に発表されましたが、金魚以下だったのです。
金魚9秒、ヒト8秒。。。
80年以上前のホイラー先生も、10秒と言っているのでヒトは、ほぼ集中できないと言えます。
こう考えると、広告のタイトルやコピーがいかに重要か、セールスで初対面の際の10秒が、どれほど大事か、プレゼンで本題に入る「つかみ」にどれだけ工夫するか、ということは、おわかりいただけると思います。
【3分以内】
大事なことは、3分以内で説明を終えなければ、聞いてもらえない、と書かれています。
10秒でつかんで、3分以内に話しきる。
現代の広告でも、ネット広告も同じだと言えます。
you Tube広告は、15秒以内で。と、言われています。
バンパー広告(固定広告)の設定は、6秒です。
動画再生時間も、3分以内と言われます。
なぜか、現代のツールでも同じ時間です。
対面のセールスであれば尚更です。
今の消費者や顧客は、インターネットのおかげで下調べをしているため、事前知識があります。
そこに、くどくどと長い説明が始まったとしたら・・・思う結果が得られないことは、想像がつきます。
3分以内は、現代にも通じる時間です。
【物知りを尊敬しろ】
お客様に話をさせろ、と書かれています。
前述しましたが、現代の消費者は、物知りです。
オタクという言葉があるように、売り手よりも買い手の方が、はるかに詳しい場合も多くなっています。
こうなると、下手な説明は不要です。
だから、お客様に話をさせる・・・
この行為は、お客様自身が説明し、理解するという自己肯定をすることになります。
売り手側は、「同意」、「共感」しておくことで、自然と、クロージングに向かうということです。
このことは、セールスの場面だけではなく、ネット通販の場合でも、応用できます。
売り手側が説明するというスタイルではなく、お客様から、このように言われています、というスタイルで説明するというものです。
お客様の声として、原文掲載のものが多いのですが、その原文に、注釈をつけて、使用後の感想や利便性など、シズルにつながる部分を強調している
ものも見受けられます。
お客様に話をさせることで、売り手の不利になることはないと思われます。
【イワシ売るな、宙返りを売れ】
ホイラーの原則第1条に似ていますが、このエピソードは、面白いものです。
イワシの缶詰を売るのに、イワシを説明するのではなく、1カ月に一度、「宙返りしている」と説明したことで売れたという事例です。
イワシが宙返り・・・アタマの中で思い浮かびます。
そんなことは、ないはずなのに。
しかも、ユーモラスです。
つまり、好奇心を刺激しているのです。
イワシの宙返り???・・・と「どういうこと?」と、聞きたくなります。
ご自分の商品やサービスの特長で、このような好奇心を刺激する例が見つかることで、お客様からの問い合わせが増えるという結果につながります。
また私の場合で、恐縮ですが、「元刑事のコンサルが、あなたの顧客を逃がしません」と、ドラマ風になりませんか?
アタマの中で、イメージが浮かぶことで、より興味を引き、好奇心を刺激するということです。
他にも、好奇心を刺激することを考えた場合には、「美女しか振り返らない、〇〇〇」
若い男性の好奇心は刺激すると思います。
「クレオパトラが、隠し通した美しさの秘密」
これも、隠されたら見たくなるという好奇心です。
ご自分のビジネスや商品で、考えてみてください。
最後に、この言葉をご紹介します。
【魔法の言葉ではない、言葉の魔術はある】
言葉の魔術、この本を読んで正にその通りであり、自分もこのスキルを身につけたいと思いました。
(既に、20年以上も前のことですが)
このことは、現代もマーケティングとセールスには必須と言えます。もしかしたら、今の方が必要なスキルとなっているかもしれません。
商品もサービスも、似たものが溢れている時代。
どのように差別化するか、顧客に伝えるかの違いで売上は、大きく変わります。
ですから、言葉の魔術から突破口が開けると言っても過言ではないのかもしれません。
このようなことを考える際には、すぐに思いつく人もいれば、なかなか出てこない人の方もいます。
「必勝フレーズ」、「10語のキャッチコピー」は何度も書き換えていいと思います。
結果は、お客様が決めてくれます。
売れ始める、問い合わせが増えるなどの成果が現れます。
私もそうですが、諦めずに考え続けていきたいと思います。