経営計画、事業計画を行う上で、よく目にする【売上目標】。
又は、進捗管理を行うために設定される【売上予算】。
目標を決めることも、予算設定して管理することも大事なことではありますが、その数字をどのように決めているかということの方が、重要です。
今でこそ、闇雲に大きな目標を掲げる経営者は少ないもののつい15~20年前の中小企業経営者は、大きな目標を
掲げることを良しとして、金融機関もそのことを讃えるという摩訶不思議な状況がありました。
経済成長が望めない環境、市場縮小が進む状況など現在の経営者は、一昔前よりも、ずっと優秀だと思います。
しかし・・・旧態依然が、売上目標や予算。
計算根拠として、よくある方法が前年比。
前年比を基準として、プラスマイナス%というもの。
業界成長、市場成長の数字を参考にされていれば、現実的と言えますが、ほとんどが「感覚」です。
本来であれば、総務省の統計や各業界団体のデータが参考になればいいのですが、現実的にはそうではなく、地域的な経済構造によっては、好不況が左右されているという地方があるのも現実です。
つまり、外的要因での売上目標や予算は、ほぼ当てにならないと思います。
極めつけが、「気合い、精神的」な売上目標や予算設定。
今の時代で? と思いますが、今でもあります。
本来であれば、売上予測をするべきです。
- 既存顧客のデータ(継続率、購買履歴など)
- 新規顧客獲得に関するデータ
- 販売データ(ABC分析はじめ、伸長率など)
- 現市場の競合比較
- 新市場の検討
と、内的要因から考えて、外的環境を検討することでその経緯として、前年比の売上などを参考にして予測値を算出していきます。
昨年からのコロナ禍の状況で、且つ現状の環境であれば急激な市場回復が難しいことは、容易に想像できるのですからそこで、重要なのが、内部データということになるのです。
売上予測をすることで、それを予算にするのか、売上を上げるための投資を行うことで、プラスの売上を見込むのかで、予算や目標が変わります。
目標 > 予算 > 予測
という順序で考えると、目標とした場合には何かに負荷をかけた結果での、期待値ですから、精神的負荷なのか、労力負荷なのか、経費的負荷なのか明確にしておかなければ、目標の意味もありません。
予測 → 予算・目標を計画することで、損益予測、資金収支予測(資金繰り)も、より現実的な数字を把握すること出来ることから、金融機関への相談や支援依頼など、早めに対策を講じることが可能です。
今後、オリンピックが終了すると、国内は選挙に向かいます。
そこで、経済問題はじめ論議されますが、期待は出来ませんし大きな回復を望むことは無謀とも言えます。
そして、そうこうするうちに、年末になり新年を迎えます。
経済、市場、競合、環境、顧客・・・どれかが変化しても影響があります。
この変化に耐えうるための経営基盤をつくるための売上予測、予算、目標にしていただきたいと思います。