MANAGEMANT 基本と原則
人こそ最大の資産である。
組織の違いは人の動きだけである。
こうまとめる章のテーマは、仕事と人間。
マネジメントとして、仕事を通じて成果を上げるために生産性を向上させ、働きがいを与えるには、どうすればいいかということについて、論を重ねている。
先ず、わずか一世紀前には、農民は一家で働き、家を中心に生活そのものが形成されていたことを指摘し、その後、きわめて小さな小集団から組織内で仕事を行い、肉体労働中心から知識労働に移行したことに触れ、仕事と労働を区分している。
仕事は、基本的作業を明らかにし、論理的な順序に並べ、プロセスを統合し、生産を組み立てるとしている。
そのプロセスには、フィードバックも含まれており、現在でも使われている、PDCAサイクルが機能することが仕事だと定義している。
そして、労働は、活動であるとし5つの次元を唱える。
- 生理的次元
人は、機械ではないので、リズムもスピードも異なる。故に多様性を認めなければならない。 - 心理的次元
重荷と感じ、呪いでもあり祝福とも言える。
自己実現の手段と考えられるとしている。 - 社会的次元
働く人と社会は、組織が繋いでいる。そして、社会における位置づけまでを決めている。 - 経済的次元
資本と賃金は、直接競合するものの両者ともに片方がなければ、片方が存在出来ないとし生計の資であるとしている。 - 政治的次元
組織内には、権力関係が伴う。
これらの次元を認識し、生産性を向上させるための理論や方法がいくつも論じられ、試されている経緯は人をマネジメントすることが、いかに困難であるかと突きつけている。
加えて、各人の責任と保障を付与する必要があるとし、テーマである、人のマネジメントを行うことについては、結論が出されていない。
中小企業こそ、人のマネジメントは永遠の課題と言える。
給与、待遇、評価、制度、人間関係など、全てに危うい。
人こそ最大の資産であることは、痛いほど理解している上に、組織改革、意識改革は、お題目のように経営のテーマとして取り上げられ、最新のチームマネジメント手法が論じられるものの解決策を見出すことはない。
未だ、これに対する理論も方法も手法も確立されず、おそらく不透明なままだと考えられる。
人を資産として機能させるための、公平で公正で、中立的なマネジメントを目指す他ない。
更に、昨今ではファブレス企業の台頭から、外部企業や委託先との連携も含めたマネジメントを行う時代である。
信頼と成果をもたらす組織づくりとマネジメントは取り組むべきテーマであることに違いない。
往々にして、組織づくり、チームづくりのリーダーシップ論は、経営者・事業家の目指すところとなり注目されるもののそのほとんどが、個性に帰結する属人的部分が主となっている。
だからこそ、組織の違いは、人の動きの違いという結論が相違なく、そのための努力と工夫を組織として取り組む必要がある。