経済は感情で動く
日常の非合理にこそ、罠が待つ。
「目先の利益に目がくらみ、将来の大きな利益に目がいかない」ということは、【選考の逆転】と呼ばれている。
タバコは健康によくないことを知っているが、目先の一服がやめられない。
そして、物事を選ぶ、決める際の選考順位は、選考の表現の仕方によって、選択の過程の中で決まり、状況で左右されるという不安定であり、不条理な結果となる。
あなたは、いつもの店にランチに行く。
今日は、久しぶりに焼肉定食を食べようと出かける。
メニューに、限定メニューが書かれている。
あなたが注文するのは、焼肉定食か限定メニューか。
その限定メニューが、焼肉定食と同じ価格の場合。
高い場合、安い場合と、状況が変わることが、選考の逆転。
目先の利益が効果絶大なことは、ビジネスをやるうえでは知っておかなければならない。
更に、非合理は高くつく。
自分が所有するものに高い価値を感じるという【保有効果】。
現状維持バイアスとされ、変化を好まなくなる。
通販会社のお試し返品保証・・・一度保有したという事実が返品率を引き下げている。
保有させると手放したくなくなるという非合理。
ビジネスでは、至るところで使われている。
あなたの同業者は使っているかもしれない。
経営上では、保有効果が悪影響を起こす場合もある。
【コンコルドの誤謬】
【サンクコスト効果の過大視】
と言われているように、過大な投資を行ってしまった場合、保有効果の影響を受け、手放せなくなる。
更に、【暗示】による影響から非合理が生まれている。
最初の印象に残った数字やモノが、その後の判断に影響するという【アンカリング効果】。
10,000円のモノは、30,000円に囲まれていれば、安く感じる。
6,000円のモノに囲まれていれば、高く感じる。
店舗の品揃えにさえ、アンカリング効果が影響している。
ネットショップのショッピングモールでもオンラインショップでも【アンカリング効果】により、非合理に決断している可能性大。
これだけに止まらないのが、アンカリング効果。
重要な経営会議で、意見がまとまらない。
誰かが、最初に口火を切る・・・最終的にはその意見に傾く。
自分も同じ意見を考えていたと思い込んでしまう。
言わば、言ったもの勝ち。
最初の印象、数字が、影響することを知っておくべき。
日常の非合理は、あちこちに転がっている。
ビジネスで使いこなすか、非合理の罠にはまるか。
知ること、考えること、学ぶこと他ない。