MANAGEMENT 基本と原則
市場をつくるのは、神や自然や経済的な力ではなく企業である。
として、「企業とは何か」から始まっている。
その答えについては、明確に書かれていないことから、本文から自己解釈すると、「企業とは利益である」となる。
企業は、高い利益をあげて、初めて社会貢献を果たすとあり、その利潤動機については、何の意味もなく、利潤動機が利益に対して誤解と敵意を生んでいるとしている。
企業が利益であれば、その動機が何であれ結果が全て。
その結果が、社会貢献していれば企業であるということ。
つまり、利益を生み出せなければ企業ではない。
そこで、かの名言が記される。
企業の目的は、「顧客を創造すること」である。
つまり、利益は顧客からしか生まれないということでもある。
逆説的に、こうも記されている。
企業とは何かを決めるのは顧客である。
そして、企業の基本的機能を2つだけに限定している。
- マーケティング
- イノベーション
本書のタイトルは、「マネジメント」基本と原則である。
ところが、冒頭から語られているのは、何よりもマーケティング。
企業は利益であり、利益はマーケティングから生み出されるとしている。
核心として、「真のマーケティングは、顧客からスタートする」とし、顧客の現実、欲求、価値を見極め、何を売りたいかではなく、何を買いたいかという徹底した顧客思考を促している。
加えて、マーケティングと販売は逆であるとし、
マーケティングの理想は、販売を不要にすることであると、けだし名言を記している。
更に、企業の成功するための機能として、イノベーションを掲げている。
イノベーションは、再定義されており、「新しい満足」と表現され、発明ではなく、技術でもなく、経済的イノベーションが不可欠と説く。
企業は、より大きくなる必要はないが、よりよくならなければならないとし、そのためには、より大きな利益を生み出す能力をもたらすことが必要であり、それが、イノベーションであるとしている。
そのための生産性についても、知識・時間・組み合わせ・限界・バランスについてを図ることにより、イノベーションがもたらされるとしている。
利益とは、原因ではなく結果である。
言い換えれば、企業とは結果である。
マーケティング、イノベーションによって、さらなる生産性向上が結果をもたらし、企業をつくる。