ドラッカーのMANAGEMENT 基本と原則

20.トップマネジメントの役割は多元的である。

事業を考え、組織規範を定め、組織づくりと維持を行い、渉外を行い、儀礼的なこともこなす。

最終的には、法的責任を負うという最も重要な役割。

企業の大小問わず、トップにはこれだけの業務が既に存在している。

ただし、トップとなるための能力は各人それぞれ。

考える人・行動する人・人間的な人・表に立つ人と、向き不向きがあり、全てを持ち合わせる人物は稀有である。

そこで、本書ではトップマネジメントをチームによる仕事として、記している。

上記の多元的役割、そして人物としての能力を分担し組織的に機能させるとしている。

そのための、決定権や決裁権も権限委譲することが不可欠だと説く。

トップマネジメントを機能させる上での、管理機能は取締役会とし、その形骸化を指摘をしているものの3つの機能が求められるとしている。

  1. 審査(助言・忠告を含む)
  2. トップマネジメント交替権限
  3. 利害関係者との渉外

ところで、
中小企業におけるトップマネジメントは、経営者次第とされる。

多元的な役割を1人でこなし、取締役会機能も持ち合わせる。

このような状況下では、権限委譲も決裁権も難しいのであるが、経営者の協力者が存在した場合、業務分担と組織化への扉が開く。

協力者については、組織内が望ましいものの外部者である場合でも構わない。

要は、機能させることに意味がある。

トップマネジメントを分担させることで、中小企業には、大きなメリットがある。

それは、経営者の時間確保である。
この時間を捻出することが、組織構築や各種マネジメント、イノベーションの源である。

又、中小企業経営者の多くは組織内に対して情報発信が少なく、情報伝達が不足している。

故に、組織から社員から理解されていないまま行動している場合も多い。

中小企業のトップマネジメントにおいては伝えることが、重要な機能である。

多元的なトップマネジメントを、機能させ管理させるために、経営者自身の向上が必要である。

自戒の意を込めて、自身の能力向上に努力精進したい。

彼(彼女)が、〇〇の理由前のページ

中小企業のSNS戦略 投稿 vs 広告次のページ

関連記事

  1. ドラッカーのMANAGEMENT 基本と原則

    15.マネジメントの技能【意思決定】

    マネージャーは、それらの技能が何であり、いかに役立ち、何を要求するか…

  2. ドラッカーのMANAGEMENT 基本と原則

    17.真の管理とは

    真の管理とは人はいかに賞され罰せられるかによって左右される。…

  3. ドラッカーのMANAGEMENT 基本と原則

    11.社会的責任

    社会の問題は、機会の源泉である。事業上の機会に転換し、自らの利益にす…

  4. ドラッカーのMANAGEMENT 基本と原則

    10.仕事と人間

    MANAGEMANT 基本と原則人こそ最大の資産である。組織の違いは…

  5. ドラッカーのMANAGEMENT 基本と原則

    12.マネジメントは、企業の基礎資源である。

    マネジメントは、企業の基礎資源である。マネジメントがいかにマネジメン…

  6. ドラッカーのMANAGEMENT 基本と原則

    5.マーケティングの集中の目標

    MANAGEMENT 基本と原則マーケティングの目標設定の、基本中の…

最近の記事

アーカイブ

  1. アイデアのつくり方

    03.アイデアを作る実際的な方法、手順について
  2. ビジネス

    レジリエンス=マーケティング
  3. ホイラーの法則

    ホイラーの公式第4条
  4. Video

    営業・販売不振対策、Check/Action編
  5. ビジネス

    経営管理:実行率・実践率
PAGE TOP