社会の問題は、機会の源泉である。
事業上の機会に転換し、自らの利益にすることこそ、企業の機能である。
このように説く章タイトルは、【社会的責任】。
企業は、自らの活動が社会に対して与える影響と、組織として社会のために行えることについて責任があるとしている。
20年前に上梓された本書において、現在世界中で取り組まれているSDGsを言い表している。
様々な企業例が挙げられる中、最終的には【知りながら害をなすな】と、プロとしての責任、倫理観を掲げている。
多くは語られてはおらず、方法論すら論じられず、企業の存在と役割について、社会への影響と責任への自覚を促している。
私たち中小企業が、社会の問題に・・・。
以前であれば、そうであったかもしれないが、現代では、全く違う。
多くのベンチャー企業が、社会に向けて、地域に向けて製品やサービスを開発し、共感・支持を得る。
地方における著名企業のみならず、一企業が、個人が行う行為、行動、活動が、SNSを通じて波及していく。
言わば、経済活動の社会的責任と還元は、標準化されつつある。
競合先との比較された場合に、顧客には組織(企業)がどう映るか。
既に、ブランディングパーツの一部としての機能と役割として社会的責任と行動は、セットとして考えられるべきものである。
更には、マーケティングの領域として、「ファン形成・育成」を考慮するのであれば、他社が行う社会的責任と行動と同等レベルが提供出来ていない場合、顧客はどう考えるか。
当然であるが、顧客は社会と繋がっている。
顧客と顧客が繋がり、コミュニティを形成している。
表面的だけではない、社会的責任と行動が求められる時代。
更に、その責任と行動をマネジメントすべき時代である。
冒頭の、社会の問題が機会の源泉であるという事実は、企業が継続して取り組むことで、社会を維持するという事実となり、事業活動が継続し、人々の生活を支える。
つまり、事業の社会的責任は、顧客の生活を支えることとなり、顧客から支えられる企業という循環をもたらす。
そして、
これらの活動を広報・広告する行為に対する評価を勘案した時、どのような行動を行うかによって、社会や顧客からの賛同・支持が反感・反旗となることも知っておかなければならない。