「個人の強みは社会のためになる」
これこそが、マネジメントの正統性の根拠としている。
個人は、組織のために。
組織は、社会のために。
マネジメントは、ノウハウでありテクニックであり、機能や役割は、大きな社会のパーツであると説いている。
マネジメントのパラダイムシフトとして、組織は、企業単体のものはなく、社会的機関として中心的機能を果たすべきと問題提起している。
本書の最後に、何らかの結論を意図したものではなく問題を提起するためのものであると書かれている。
つまり、回答は時代によって変わるということ。
20年以上も読み継がれる理由でもある。
本書の始まりを覚えているだろうか。
あまりにも有名で、多くの経営者が引用した言葉。
企業の目的の定義は一つしかない。
それは、顧客を創造することである。
この目的のために、事業とは、企業とは、組織とはマネージャーとは、マネジメントととは・・・。
多くが語られたものの、最終的に集約されるのはやはり、始まりの有名なフレーズに帰結する。
近年において、時代は大きく変わった。
テクノロジーの進化によるスマートフォン社会。
コロナウィルスによる、生活行動変化。
更に、世界の環境を唱えるSDGsという活動。
20年前に本書で説かれた内容のマネジメントが必要とされている。
しかも、それは大企業に限らず私たち中小企業も同等に、求められる時代と環境となった。
テクノロジーは、大企業からではなく、いつの間にか、ベンチャーと呼ばれる新興勢力からスタートアップし、社会にイノベーションをもたらす。
ムーブメントは、大衆の小さな活動や運動、言動から大きな渦となり、社会や企業を動かす時代。
顧客の創造は、常に私たちの隣にある。
複雑な社会構造と言われるものの、顧客の行動はシンプルであることに変わりない。
何を求められ、何を必要とされているか。顧客や市場の声に、常に耳を傾けるマネジメントを機能させる努力と工夫が必要である。
更に、顧客と共に社会を形成する一員として共感し行動する。