一般的には、消費マインドと言うと、内閣府が調査している消費動向調査にある消費者態度指数のことを指すことがほとんどですが、上がった・下がったという傾向だけで判断されていて、消費の現場では、この報道があっても、ほとんど反応しないのが現実です。
とは言え、コロナ禍の中で、業界によっては大きく売上を落としたところは多く、外的要因や制限・規制で、影響を受けた飲食業や宿泊業を中心に、「売れなくなった」ということを実感している業界が、ここに来て増えています。
弊社へのクライアントさん、その取引先さんはじめ、業界の情報を日ごろから集めます。
B2Cの事業、高額商品・サービスの取り扱いしている業態は、コロナ前の状況と同じビジネスモデルのところは、苦戦しているという情報が多く入ります。
先んじて、オンライン化やマーケティングやセールスに工夫されたところは、売上が落ちてはいるものの、今後の期待が持てる状況です。
特に、ターゲットをこれまでの所得区分からやや低くマイナーチェンジされたり、取り扱い商品の価格帯をやや低めに設定されたところは、やや好調と言えます。
例えばですが、これまでの価格から10~15%低い価格。
これまでのターゲット層の所得区分から、10~15%低い所得区分。
わずかの差のようですが、実際には反応が大きく変わっています。
調査したわけでもなく、特別なデータでもないのですが、これが経営感覚です。
現在、オリンピック開催、コロナ感染状況と、不信感を抱くの多い報道が多く、
今後の生活を考えた場合に、不安 > 期待 となっていることから、特別なモノやコトに、多額の支出をすることは控えていると感じます。
更に、コロナ禍の影響は、既に1年半を過ぎ、「節約モード」が通常になりました。
その節約した分は、どこに・・・当然、貯蓄です。
昨年までは、「いつか終わりが来るだろう」、「回復するだろう」と期待があったことも外出もままならないという不自由を強いられて、それに【慣れ】てしまいました。
こうなると、【買う】という刺激的なことも忘れてしまいます。
新しいモノを買うという行為は、自分の生活に、新しい刺激を与えるのですが、外出も出会いもない状況ですから、意味や価値を見出せなくなっています。
では、どうすればいいのでしょうか?
ただ、ひたすら待つ・・・言葉が不適切ですが、「ゆでがえる」になります。
時代に流されて、どうにかなるような状況ではないと判断します。
ビジネスの方法を、ビジネスの場所を、ビジネスを根本から。
商品の内容を、品揃えを、価格帯を・・・。
ターゲットの顧客を、顧客との関係(エンゲージ)を・・・。
とにかく、どこからか、全てかを見直す必要があります。
誤解をされるかもしれませんが、補助金や融資よりも、本当はビジネス再構築をすることが、最も優先事項です。
これまでの失われた20年と言われた期間にも、【生き残り】、【サバイバル】という言葉が、企業経営に使われたことがありましたが、今回は聞こえてきません。
時代の流れ、社会情勢、環境変化に対応できないところが多いからだと思います。
現在の国内中小企業経営者の平均年齢は、ほぼ60歳。
ただ、諦めるには早い年齢です。
しぶとく強かに、粘り強く事業を続けていただきたいと思います。
画像のイメージは、現在の消費マインドです。
波風が立たない、「禅」のような心持ちを、どう動かせるか。
これからが、経営・マーケティングの腕の見せどころです。