経済は感情で動く
投資の心理学にも、感情が左右する。
なじみの感覚は、自信過剰につながっている。
私たちが、はまりやすい近道の典型例。
つい、知っている企業に投資してしまう。
事情がわかっていると、自信過剰の状態と同じ。
このことは、ビジネスでも当てはまる。
消費者が購入する、決断するきっかけの多くは先ず、知っているか否か。
故に、大企業が有利である。
大量のCMで、認知度が高ければ信頼されていると錯覚してしまう。
過去の経験から、大企業が安心だという認識であれば尚更であり、仮に購入の判断が誤っていたとしても自己正当化してしまう。
投資の世界で、必ず言われる【ポートフォリオ理論】
リスクを分散する方法だが、日常生活でも知らず知らずのうちに使っている。
収益を最大に、リスクを最小に。
お得を最大に、リスクを最低に。
セール、キャンペーンという言葉が踊る中で購買決定する際には、アタマはポートフォリオ的思考で考えている。
しかし・・・、そうではない結果が多々発生する。
売り手としては、どのよう考えるべきか。
顧客のなじみになれれば、強いということ。
なじみになる前には、知ってもらうこと。
知ってもらうために、やるべきことは何か。
広報・広告の重要性が、ここにある。
本書では、【ピーク・エンドの法則】が紹介されている。
端的に言えば、「終わりよければ全てよし」。
経験が、このことを判断させる。
消費者として考えた場合、期待通りではなかった、満足出来なかった・・・。
クレーム、問い合わせ、お客様相談室の対応が真摯で、誠実で、感情を損なわず、納得できれば悪い印象が薄まってしまう。
売り手としては、購入時・商品開封時・サービス完了時など納品・完成引渡の時点での工夫が必要だと考えられる。
中小企業は、知名度がないというビハインドがあり、この時点での不快感は、馴染みへの道を遠ざけてしまう。
馴染みになる努力と工夫を行うことで、距離が縮まる。
投資の心理学で見られる感情の傾向は、日常生活でも、ビジネスでも同じである。
やはり、人は感情で判断していることに変わりない。