最高の広告は、たんに独創的であるだけでなく、売上に結びつくものである。
更に、広告は、事実を伝えることではなく、ソリューションや夢を売ることだ。と、伝えてくれている。
このことを伝える例として、レブロン創業者 チャールズ・レブソンの言葉が紹介されている。
われわれは、工場で口紅をつくり、広告で夢を売っている。
この本が書かれた当時(2003年)は、国内の中小企業にとって広告は敷居が高かった。
地域密着型では、チラシ、ポスティングやミニコミ誌広告が主体。新聞広告は、高額過ぎた。
全国区の通販会社も、チラシが主流。
TVCMをやっているところも多くなかった。
ところが、今は【ネット広告】が主流。
中小企業にも、広告が身近になった。
広告は、マーケティングにおいては非常に重要なツールであり武器。このことは、中小企業も同じ。
周知の通り、ネット広告でビジネス拡大した中小企業も非常に多い。
しかも、今からでも遅くない。
なぜなら、媒体は進化し、広告配信の機能も内容もアップデートされているから。
だからこそ、広告の基本的な部分を再認識することで、まだまだチャンスがある。
この本で【広告】を最初の項目にし、「広告には、愛憎こもごもの感情を抱いている」
と、広告について手厳しい意見でまとめている。
自分なりに解釈すると、「考えて広告やりなさい、優れた広告をつくりなさい」と言っている。
「広告の目的は、情報提供、説得、リマインド、購買意志決定の強化のいづれかである。」
と書かれていて、目的を見失うなと言っている。
基本形は、1つの広告で1つの目的。
媒体やターゲット(対象顧客)によって、各広告には機能や役割があることから、いくつもの種類があって当然。
マーケティング戦略がなければ、広告は効果的に機能しないと言える。
例えば、中小企業向きであるダイレクトマーケティング広告は、今でも効果的だが、その手法ばかりではなく、媒体やターゲット(対象顧客)に合わせた広告も必要だと解釈できる。
今のネット広告こそ多くの媒体や種類があることから、目的と媒体特性がマッチしなければ、反応は得られない。
このことに関することとして、5つのMと言っている。
目的(MISSION)、メッセージ(MESSAGE)、媒体(MEDIA)、予算(MONEY)、評価(MEASUREMENT)について意思決定の必要があると。
そして、この本で、「マス広告の影響度や有用性は、今後低下していくのだろうか」と、未来を予測したことが書かれている。
この本が書かれた2003年当時は、グーグルがアドワーズ広告を提供して3年、まだSNSはない。(フェイスブックのスタートが、2004年)
高名でありながら、実務と現場重視で、売上に結びつく広告を推していたことが、さすがだと思う。
当時のアメリカ企業の例を出しながら、こうも言っている。
「いかに見事な広告といえどもリニューアルは必要だ」
時代遅れになるからだとし、広告を陳腐化させてはならないと警告している。
この項目の最後では、アメリカの有名コンサルタントの言葉を紹介し、企業が顧客の声を聞く重要性を伝えている。
今の時代で言う、レビューやSNSに当てはまる。
一方通行型の広告は衰退しているのを目の当たりにしている・・・と。
広告は、時代の環境や道具、消費者の行動で大きく変わっていく。
しかし、変わらないことは、【広告でソリューションと夢を売り、売上に結びつける。】
きっと17年を経過した今でも、コトラー先生はこう言うと思う。