経済は感情で動く
【フレーミング効果】
ビジネスにおいては、価格表示の問題が該当する。
比率表示か、金額表示か。
一般的には、高額商品や値引き率が高ければ、比率表示。
認知度が低い商品や低額商品は、金額表示。
が、使い分けられている。
又、あなたは、どちらを選ぶだろうか。
脂肪分20%のおいしい肉。
赤身80%のおいしい肉。
美味しさを優先したいなら、脂肪分に反応する。
ダイエット中なら、赤身に反応する。
意思決定の際は、質問や問題の提示で変わる場合がある。
本書でも紹介されている生存率95%と死亡率5%の比較。
ところが、フレーミング効果はこのことだけに限らない。
実際の店舗やWebショップで、つい買い過ぎる。
思わず買ってしまった経験は、誰しもあるはず。
これも、フレーミング効果。
その際には、「限定」、「プレミアム」、「特別価格」という文字が目に止まった可能性が高い。
特に、最近のWebショップは、レコメンド機能が実装され、ここぞとばかりに、推してくる。
しかし、推すばかりでは売れない。
そう、レコメンドには、【買うきっかけ】である限定などのプラスアルファが必要ということ。
購入直後の心理状態を考えてほしい。
決断し、自己正当化をしているはず。
そして、必要な又は欲しい商品を購入した期待感が最高潮に達している。
このタイミングで、提示する際に工夫があるとないでは雲泥の差と言える。
もちろん、レコメンドなのだから、例えば、ダイエットを気にして購入した人には、その属性の商品で推す。
買い手として、誰しも経験があるものの、売り手側としての工夫を忘れていることは多い。
フレーミング効果を支える、人の性質がある。
【損失回避性】
人間は、同額の利益から得る満足よりも、損失から受ける苦痛の方がはるかに大きい。
要は、誰しも損はしたくないと思っているし、実際に損をしたとなれば、相当のダメージを受ける。
そして、損をしたくないという心理は、【後悔回避】という行動に繋がっている。
してしまった後悔 VS しなかった後悔
時間の経過とともに、変わると言われている。
してしまった失敗は、短期的に後悔する。
しなかった失敗は、長期的に後悔する。
ビジネスや経営の現場においては、マーケティングやセールスは、短期的。
経営に関しては、長期的と言える。
Web広告ではありがちな話がある。
CPA(獲得コスト)が思わしくなくなった。
一部の広告を変更した。
変えていない広告の反応が戻り、変えた広告はますます悪くなった。
経営では、「あの時、やっていれば・・・」
と思うことや、「取り組んでいたら・・・」
と後悔することがある。
どちらも、結果は変わらない。
言えることは、短絡的に「損をしたくない!」
という感情を優先させて判断した場合は、間違うことが多い可能性が高いということ。
後悔回避のために、判断を保留したり、誰かに委ねる・・・本、セミナー、専門家など。
本当に正しいのだろうか。
損失回避という性質が、含まれていないか自身でチェックしたい。
そして、売り手としての立場から、損失回避性を考えると、【顧客が損失を感じない表現(質問・提示】を。
ダイエットを考えている人には、脂肪20%の肉は耳障りが悪い。