ドラッカーのMANAGEMENT 基本と原則

6.市場地位

MANAGEMENT 基本と原則

市場において、目指すべき地位は、最大ではなく最適である。

この意味として、もう一つのマーケティングの目標は、市場地位の目標である。

と、している。

市場地位、つまりポジショニング。

最大の地位を目指すということは、市場シェアとなるが、中小企業においては、最適の地位を定めることから始まる。

特定の商品又は専門的市場における市場シェアは、技術的なことや専門性のレベルにおいて可能なもののこれも、特別であることに違いない。

では、中小企業における市場地位、ポジショニングとは。

端的に言えば、優位性を取れる場所であり、競合先に勝てる場所のことである。

地域内、商圏内での地域No.1は、代表例であり、キャッチコピー等で、よく目にするところである。

ほとんどの中小企業が、そうでないことから自社の得意分野、得意領域、競合と比較した優位性を築ける場所を特定することが、望ましい。

往々にして、競合先に優位性を築こうとした場合には、価格、品質、サービスが掲げられる。

これらは確かに優位性に違いないが、資本力や技術力、経営資源の差となり、小資本には不利である。

もちろん、これらを優位性にして突破口を定めて、競合先よりも早い展開で事業を拡大することで、市場地位を築き上げた企業も多数あるが、その過程においても、市場地位を獲得するという目標までには、相応のリスクと労力を要する。

小資本の中小企業における、市場地位。

そこにヒントがあるとしたら、

  1. 迅速な決断と行動
  2. 小さな数と量

に可能性を見出すことが出来る。

前記にある、価格・品質・サービスの数と量は小資本では対応することが難しい。

しかし、小さな部分になると、見出せるものも多い。

例えば、小ロットや小単価。

大ロットと比較した場合には、割高になるものの【小】を望む顧客には、通用する切り口である。

そこに、迅速な対応が加わることで、顧客の要望に応えるという優位性を築くことが出来る。

又、競合との優位性は、購入前の検討段階において比較されることが多いのであれば、購入後の対応や契約後の対応という、既に無償でサービスしている事柄について、整理することは優位性の切り口であり、商圏内における、「親身」・「面倒見」を望む顧客は少なくない。

中小企業で、市場地位の目標=ポジショニングを意識しているところは、多くない。

市場地位を定めていれば、SNS活用も情報コンテンツも対象としている顧客(ターゲット)に、届きやすい。

このことは、ひいてはブランディング戦略につながる。

中小企業だからこそ、市場地位、ポジショニングを明確にすることが、差別化の第一歩と言える。

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