影響力の武器

お世辞を変換・・・称賛

影響力の武器

称賛が好意に影響する過程を発見している

お世辞は、有効だ。

好意を引き出し、承諾へと誘う。

お世辞を変換・・・称賛。

もちろん、あからさまに誘導したり、操作されることが明らかであれば、それは、好意とは真逆の嫌悪となる。

しかし、社会心理学者は、称賛が好意に影響する過程を発見している、と紹介されている。

私たちは、他者からの称賛を信じ、それを与えてくれる人を好む傾向があると。

しかも、その称賛が真実ではないときでさえも。

事例として書かれている自動車セールスマンの話。

あなたが好きです、と手紙を送り続けた結果、記録に残るような成功を収めたという事実。

あなただったら、どうだろうか?

今の時代であれば、メールかもしれないし、LINEなどのメッセージかもしれない。

セールスマンから、メッセージが届く。

私は、●●さんの□□のようなところが大好きです。

それが、誰にでも当てはまるような曖昧で一般的な内容だとしても、「自分のことだ」と感じてしまえば・・・。

悪い気はしないはず。

むしろ、自分のことだと思えば、あなたの好意の扉が開き始めたということになる。

これは、心理学で言われる「バーナム効果」。

占い師が使うテクニックとして、知られている。

ただし、この称賛については、順序があるらしい。

評価が低いところから、称賛に向かう場合には成果が出やすいが、逆ではNG。

適切な順序を考える必要があるということ。

そして、更に、この好意を強化していくプロセスにおいて条件と環境が存在する。

条件1:親近性

私たちは、よく知っているものに対して好意を感じる。しかも、無意識的な中でも。

本の中では、選挙の結果として、知られた名前に改名した候補者が当選したことが書かれている。

あなたの姓と名のどちらがか同じ人と出会った場合を考えてみてほしい。

「偶然ですね」、と笑顔で話しているはず。

それは、名前の親近性という条件が一致したという事実が、お互いの好意を呼び起こす。

条件2:接触

事例として無意識の中にあるBGMが書かれているが、未知のものよりも、既知のものに好意を抱くことは疑う余地がない。

ビジネス上で、一度だけ会っていることや電話で話したことがある、メールのやり取りがあった等接触した人物への再度の連絡は、躊躇しない。

しかし、未知の者であればどうだろう。

こちらも好意は生まれていないし、相手から好意を持たれる可能性も極めて少ない。

ならば、やはり接触という機会、頻度が多ければ多いほど、好意への距離は縮まることは言うまでもない。

条件3:協力

事例として、学校内での対立構造にある議題の解決について、長々と書かれているが、結論的には、協力することで、お互いが好意を持つ結果となる。

ビジネス現場の事例では、セールスマンが上司と戦い、値引を勝ち取るという行動さえ、協力だとしている。

これは、心理学で言われる「認知的均衡理論」(バランス理論)が働いた事象と言える。

共通の敵をつくることで、目標(目的)を達成し、協力したことが、互いの好意を引き出すというもの。

恐い刑事と優しい刑事と犯人の三者間が紹介され、共通の敵とされるのが、恐い刑事ということ。

そして、優しい刑事に自白する・・・。

実際のビジネス現場における協力とは。

売り手と買い手が、同じ目標に向かうには、やはり共通の敵が必要だ。

環境問題が、共通の敵かもしれないし、病気の原因かもしれない。

顧客の悩みや不安に通じる、共通の敵。

この敵を倒すべく、協力することで好意が動き出すということ。

環境:連合

天気予報が当たらない場合には、予報担当者が責められるという事実が紹介されている。

連合の変換・・・結びつき。

好意にもなれば、悪意にもなる結びつきという環境。

人気の芸能人が、実力あるアスリートが、広告宣伝に用いられる理由が、ここにある。

さて、あなたと顧客がお互いに【好意】を持つためには。

先ずは、あなたから。

外見を整え、自己プロデュースを行い、顧客が共通項(類似性)を見つけやすくする。

あなたの既存顧客の情報や内容を出来るだけ開示し、新規顧客との類似性をアピールしなければならない。

そして、あなたは顧客を称賛する。

何度も接触することで、記憶されることから好意がスタートする。

更に、共通の敵を認識。

その目標(目的)に向かうためのプロセスをサポートし、協力しあう。

最後に、連合という環境をつくり結び付ける。

顧客の望ましさを分かち合うために、イメージや好ましい印象を結びつける。

この段階で、既に【好意の扉】の鍵が開き、多大な影響力を手に入れる

次回は、服従を導くための【権威】。

盲目的な魅力と危険性を持つ。

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