影響力の武器
禁断のローボール・テクニック。
不利な選択で、人を満足させることができる。
と、ある。
前回にお伝えした、【一貫性とコミットメント】。
自分が決めたことにより、心の変化を引き起こし、コミットメントが、自己正当化し固執させる。
強迫的と言われる理由であり、変えがたい結果。
そこには、「自ら自分を支える脚が出来る」と書かれている。
つまり、新しい自らの決定が、新しい自己基準を強固に形成するということ。
重要なことは、「自ら決定すること」。
それを悪用する方法が、「ローボール・テクニック」。
契約内容が変更され、不利な状態に陥ったとしても、自らを支える脚、つまり自分の決定を曲げない・変えないということが、不利な状態さえ、自己正当化してしまう。
このテクニックは、別の名称で書かれている。
「与えておいて取り上げる戦略」
このネーミングだと、騙しや詐欺だと揶揄されても仕方のない方法。
このようなことが、現代の実生活で起こり得るか。
答えは、YES。
あなたが必要な又は欲しいモノがあったとしよう。
いろいろと比較・検討した。
そして、遂に決定した。(購入を決めた・購入した)
ところが、オプションがつけられていなかった。
他社も比較したはず、検討したはず。
どうするだろう?
そう、「妥協」してしまう。
そして、それを妥協とは考えず、「オプションが必要だった」と正当化する。
この決定の前に、何か恩や譲歩はなかったか?
他社よりも、親切・丁寧な詳しい説明。
・・・わかりやすかった(恩)
少し価格が安くなっていた・・・(恩)
他社を探すのも諦めて決定・・・(譲歩)
そして、決定後に、オプションが必要でも、購入したことを覆さない理由は・・・。
一貫性とコミットメントの呪縛から逃れられない。
新しい決定を支えた脚は、強固に自分の決定を支える。
約束(購入決定時)が反故されても。
つまり、不利な状態でも受け入れてしまう。
与えられて、取り上げられているという事実。
売り手側で、このような方法を使うとしたら?
悪徳・詐欺まがいの名称がつきまとうはずだが、現代でも、この方法で販売しているモノもあれば会社も存在する。
悪魔の組み合わせとも言える
一貫性×コミットメント×ローボール・テクニック
防衛する方法があるのだろうか。
これを自ら防衛する方法は・・・明確に書かれていない。
胃が、心の奥底が反応するとあるが、きっとわからない。
あえて、提案するならば・・・自分をスタートに戻す。
・なぜ必要だったのか(欲しかったのか)
- 本当に必要だったか(欲しかったか)
- 条件は何だったか
そして、決定後と冷静に比較する。
後戻りする勇気が必要だと考えられる。
ところで、マーケティングを行う上で悪魔の組み合わせを使うにはどうすればいいか?
実は、これも既に使われている。
ダイレクトマーケティングで言われる【フロントエンド】。
これは、自ら決めさせるためにある。
100円・500円、ワンコインの理由は、意図的であるに違いない。
コミットメントは、モニターであれば感想をメールで。
LINEで・・・という方法もあれば、アンケートが必須というところもある。
最後の、ローボール・テクニック。
バックエンド商品は、高額だが今回は特別価格。
つい決めたとしよう・・・
更なる案内が扉を開ける。
今だけ! と、
不利な状態に陥っているにも関わらず受け入れてしまう。
買い手としての心当たりは、ないだろうか。
売り手として、自社ではどう良心的に使えばいいか。
ここまでの公式
(返報性×譲歩)×(一貫性×コミットメント)
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ローボール・テクニック
次回からは、社会的証明。
次章以降については、上記公式を補完する内容。
影響力の武器の中において、
- 返報性と譲歩
- 一貫性とコミットメント
は、忘れてはならない。