コトラーのマーケティング・コンセプト
デザインとは何かを理解している管理者は、ほとんどいない。
デザインとスタイルを同一視している程度だ。
スタイルすなわち外観は、多くの製品で主要な役割を演じている。
と、デザインとスタイルを理解して、使いこなすことを提唱している。
デザインは、製品の外観という域を超えた概念である。
として、優れたデザインの基準には、機能性まで含んでいると書かれている。
更に、優れたデザインのための条件として、
- 顧客のあらゆる行動をとことん考える
- 標的顧客が誰なのかを知ること
が、最も基本だと説く。
事例として、重すぎて売れなった掃除機の例が挙げられており、女性には重すぎた・・・とされている。
スタイルは、外観。
デザインは、製品の機能性・使用感までの全て。
認知心理学の「アフォーダンス理論」は、端的に言うと、カタチが、行動を発生させるという理論であり、木の切り株があれば、座る。とシンプルなもの。
使いやすさ、わかりやすさ・・・は、製品のみならずウェブサイトも、申し込みフォームも同じ。
マーケティング活動の全てに、デザインは関わる。
この中で、トヨタの事例がある。
女性をメインターゲットとした車のドアをデザインするにあたって、トヨタのエンジニアたちは、爪を長く伸ばし、ドアの開け閉めにどのような影響があるか調べた。
きっと、トヨタでは当たり前のことだと思う。
しかし、他の企業では出来ていないから、トヨタが優れた企業として君臨しているとも考えられる。
2003年当時に、既に「環境デザイン」に触れていて、スターバックスの深い色合いの気のカウンターが紹介され空間デザインと言葉があるように、顧客を取り巻く全てをデザインすることが、マーケティングであると再認識させられる。
デザインという言葉は、曖昧であり、ここで言われている外観が、商品・ブランド・企業のイメージをつくると思われがちである。
外観は、製品や商品のみならず、ロゴやウェブサイト等がわかりやすいために、それらに注力しがちであるものの、機能や環境までのトータルこそ、デザインであるとして、再構築すべき事項だと考える。
・・・ブランド形成と似ている。
デザイン思考と言われて長いものの、理解して取り組んでいる企業は少ない。
だとしたら、今現在、取り組むことで差別化、ブランド化が可能である。
「神は、細部に宿る」
建築家ミースの言葉とされているが、アインシュタインもコルビジェも、ニーチェも使ったとなると、天才たちに言わしめた言葉が、マーケティング上のデザインというものに通じる。
デザイン、これからますます重要な項目になると思われる。