コトラーのマーケティング・コンセプト
経験マーケティングと財務マーケティング
財や製品に付随する経験をデザインすることが、経験マーケティングの基盤として解説されている。
一流レストランの雰囲気、有名ホテルでの体験など、ドラマ性や娯楽性が必要だと。
当時(2003年)は、ブランディングと言われて間もない頃で中小企業には無縁のように思われていた。
ところが、今は・・・
どの店も、どの企業も、中小であろうと、個人店であろうと、顧客から支持されるのは、顧客との経験を共有し、共感できる店や企業だ。
顧客と何を共有し、どんなことを共感し合うか。
この本が書かれた当時にはなかったSNSに答えがあるのではないか。
顧客がどのような経験をし、どのように感じたかを情報発信している時代。
いかに顧客を感激させるかだけではなく、商品(製品)やサービス以外に、何を提供するかということが課題になると思われる。
顧客に何を経験してもらうか・・・
考える価値はある。
続けて、財務マーケティングを解説している。
マーケターは、財務的思考に強くなるべきと主張している。
これからのマーケターは、マーケティング指標と財務指標を関連づける力が欠かせないとしている。
現在は、WEBマーケティングが中心の時代。
ネット上のデータは、全て数字で表示され、数値で計算される。
効率と効果を高める・・・
この2つ以外では結果は現れない。
例えば、新規客の獲得を考えた場合、どのような方法があるか。
大別すると、広報、紹介、広告の3種類となる。
得てして、費用がかからない紹介を好む経営者は多いが再現性がないことから、継続的売上は望めない。
広報・・・中小企業には概ね不向きであり、直接的な売上は望めない。
そうなると、広告しかないのである。
財務指標では、広告宣伝費は、一般管理費に区分されているが、売上を上げるための費用であることから、変動費である。
広告費=変動費の考え方が、財務マーケティングの基本と考える。
マーケティングは、時代と共に変化する。
それは、顧客の意識や行動、社会環境や市場が変化するからに他ならない。
だからこそ、経験マーケティング、財務マーケティングという2つの不変的な側面が重要だと思う。