コトラーのマーケティング・コンセプト
競争優位は、絶対的なものではなく、相対的なものである。
この当たり前のことを、伝えてくれている。
結論から言えば、優位性を維持する、強化することを怠ってはならないと、言われている。
競争相手や比較される商品・サービスがあるからこそ、優位性が明確になり、顧客から比較検討された上で、支持される。
優位性がなければ、比較検討されるという選択にも入れない。
しかも、差異が明確でなければ、顧客を惑わすこととなる。
書かれてはいないものの、優位性における注意すべき点は、1点のみ。
優位性として主張・訴求しても、市場が小さ過ぎる、存在しないのでは、それは優位性とは呼ばない。競合相手もおそらく存在しない。
優位性は、独自性とは異なる。
独自性が、市場を創造することは確かにあるが、それは優位性を包括しているからに他ならない。
あまりに当たり前のことだからこそ、確認しておくべき事項でもある。
例えば、わかりにくいサービスの代表である、コンサルティング。
該当業種、得意領域、得意分野がなければ、わからない。
マーケティング・・・広過ぎる。
●●業専門のコピーライティング・・・市場があるか?
と、優位性はビジネスに直結しなければ意味がない。
競争優位の源泉として、
- 卓越した品質
- スピード
- 安全性
- サービス
- デザイン
- 信頼性
- 低コスト
- 低価格
と並べた上で、複数の組み合わせが優位性をもたらすとしている。
単独の項目においての優位性は、維持することが難しい。
低価格競争の末路は、誰もが知る通り資本力の勝負となり、中小企業では、太刀打ちできるところではない。
この項目で、日本企業を褒めてくれている下りがある。
競争優位を重ねることで、日本企業が名人だとし、低価格を売り物にし、次に優れた製品特性、次は高品質、次は、効率の良さと次々に優位性を積み重ねていく、と。
内容や順番は、大企業に該当するものであるものの、中小企業も見習うべきことがある。
わかりやすい低価格で、市場参入。
優れた特性や技術が、更に優位性を強化する。
プラス、高品質であれば尚更であり、効率の良さが加わることで、利益を生み出せる。
商品・サービスの企画開発、販売促進・プロモーション、イベント等、それぞれの業務においても、優位性が重要なことは言うまでもない。
優位性は、築くことも維持することも重要であり、ひいては、ポジショニングに関わる。
市場内、商圏内、業界内のポジションが、市場獲得(シェア)やビジネスの展開に大きく影響を及ぼす。
自分の、自社の優位性・・・自分ではわからなくとも顧客や市場の声に、大きなヒントが隠されている。