経済は感情で動く
認知の罠。
自分自身の思い込み、勘違い。
私たちは、自分自身で出した答えを信じていいか。
つじつまの合わない答えを出すことは、確かにある。
数字を情緒で、見た目で、感覚で、判断してしまう。
A:10個に1個の当たり。
B:100個に8個の当たり。
確率的には、Aであるにも関わらずBを選ぶ人がいる。
C:100人のうちに、25名が危険。
D:10,000人のうちに、1,285名が危険。
パーセントよりも、数字の大小で判断する場合もある。
なぜか、Dの危険度が高いと判断する人がいる。
割合よりも、見た目の数字ということだ。
現代のビジネスでも、このようなことは起きている。
ある商品の価格は、業界全体で大手も中小もほぼ同じ。
その間隙を突いて、利益を無視して、後発参入した安値のところが現れる。
仮に、業界全体が100万円だとする。
安値のところは、80万円。
業界常識で言えば、利益ゼロだ。
ところが、ビジネスの仕組みが違う。
手数料とは異なる名目の費用が、購入時に発生する。
それらの費用が、10万円。
100万円で販売しているところが、しぶしぶ、10万円の値引きに応じて90万円で販売。
大手であろうが、地元有名企業であろうが、顧客が判断するのが、商品価格の場合には、安値のところが、集客する。
しかも、安値のところは、80万円で3倍売れる。
1商品当たりの利益額は、同じ。
しかし、ビジネスの利益額は3倍違う。
この事実は、顧客には一切関係ない。
つまり、人は、やはり合理的に判断していない。
1%と、100人に1人は、感じ方が違う。
1,000円は、同じでも感じる価値が違う場合がある。
そして、消費者は、割合の表示に乗せられやすい。
実数に換算することで、理解しリスクを避けることが出来るにも関わらず、安易に判断してしまう。
更に、プロが絡むと余計に判断を誤る。
全てをプロに委ねる・・・良い結果ばかりでないことを知っているはず。
私たちは、見たいものだけを見る傾向にあるらしい。
自分の都合のいい面だけを見たがる。
加えて、経験が邪魔をする。
実際のビジネスの現場では、認知の罠が発生しているものの気付かない。
あなたの顧客の特徴や購買傾向、あなたの商品やサービスの評価や感想は、どのように経営に生かされているだろうか。
認知の罠、思い込みにはまらず、数字によるデータ、算出された数値で、判断されているだろうか。
これまでのプロモーションが成功した場合とそうでない場合。
成功した場合は、たくさんの項目を述べるものの、そうでない場合は、顧客のせいなど、自社以外の要因として片づけていないだろうか。
顧客が感情で動くことを理解していても、自身も感情で判断していることを忘れてはならない。
そして、成功体験は、更に認知の罠を拡げてしまう。
以前は上手くいった・・・その時点における環境や要因が全て同じではないし、自身の状況や情報も変わっている。
世の中は、常に動いている。
顧客も、常に動いている。
そして、自身も常に動いている。
動いているということは、変わっているということ。
認知の罠は、常に、あなたの目を曇らせているかもしれない。