MANAGEMENT 基本と原則
人口構造だけが未来に関する唯一の予測可能な事象である。
企業の自らのイノベーションと他者によるイノベーションの変化に対応する必要性を説いている。
イノベーションを起こす際の質問として、「われわれの事業は何になるか」という設問をする。
企業は、陳腐化し30年でさえ有効なものはなく、せいぜい10年が限度と喝破する。(2001年当時)
そして、マネジメントとは事業の持つ性格、使命、目的に影響を与える環境変化とその予測において、いかに組み込むかについて、考えるべきだとしている。
これは、マネジメントを軸にした戦略プランニングである。
そこで、冒頭の言葉が使われる。
市場動向のうち、もっとも重要なものが人口構造の変化である。
2001年当時において、人口構造は先進国と途上国ともに急激に変化するとし、20年後の現在に正にそうなっている。
世界的な人口構造の変化はもちろん、日本国内もそうなった。
高齢化社会と言われて久しく、既に高齢化率は28.4%。
15年後には、33.3%(3名に1名)だと予測されている。
つまり、残り15年で65歳以上だらけの社会と環境が到来する。
何が必要になり、何を欲しがるのか・・・。
そのためには、どのように予測し、どう環境適応すべきかと「われわれの事業は、何になるか」は極めて重要となる。
イノベーションをマネジメント(プランニング)する際に、次に重要な事項。
市場構造の変化(経済構造、流行と意識、競争状態)となる。
本書から既に20年が経過し、その間にも経済構造は変化した。
仮想通貨の存在はなく、テクノロジーの革新は言うまでもない。
これらの事実にともない、SNSというインフラの台頭、スマートフォンの社会的普及、その影響を受ける消費者意識や行動、モノやコトに対する価値観の変化による消費構造変化。
更に、オンライン化による競争環境。
変わっていないものが一つもない、と言っても過言ではない状況。
最後に重要なものとして、【満たされない欲求】を見出すこと。
つまり、時代に応じた顧客のニーズとウォンツを見出す必要があるという最も難しい課題を提示する。
だからこそ、「われわれの事業は何であるべきか」と問い続けるべきだとしている。
そして、「何を捨てるか」に帰結する。
われわれの事業は、今日も有効か、明日も有効か、いつまで有効なのか。
問い続ける上では、捨て去るものを選択すべきである。
簡単ではない内容だけに、体系的に真摯に行動すべきマネジメント。
本書の冒頭で、大事な3つの柱が提示された。
企業とは何か
・・・利益を生むために、顧客を創造する。
事業は何か
・・・顧客に価値を与える。
事業は何であるべきか
・・・社会の一部であり続ける。
そして、マネジメントには、マーケティングとイノベーションが必要である。