コトラーのマーケティング・コンセプト
イノベーション(革新)を起こさなければ、企業は死ぬ。
成功しなければ、生き延びることはできない。
コトラー先生は、断定している。
当たり前のことと言えば、当たり前。
中小企業で、イノベーションを起こす・・・イメージ出来るか。
製品・商品、サービスの品質を向上させたとしても、技術革新したとしても、市場を創造し、獲得するのは容易ではない。
中小企業のイノベーションは、時代適応だと考える。
この本が出た当時(2003年)の、ビルゲイツの言葉が紹介されている。
インターネットは、たんに新たな販売チャネルにとどまらない。
これからの企業は、デジタル・ナーバス・システム(デジタル神経系)を活用して事業を営むことになるだろう。
既に、ウィンドウズが世界中で使用されていた時に、更に、インターネットの可能性を示唆していた。
何が見えていたのか、到底理解できることではないが、当時のビジネスモデルをイノベーションする方向だったことは言葉から理解できる。
話を戻して、中小企業の時代適応がイノベーションという理由。
総じて、新しい知識や技術に遅れがちな我々中小企業は、最先端を走る必要はないと思う。
傑出した才能や卓越した能力、突出した技術力があれば市場創造も、市場獲得も可能だと思うのだが、それだけに注力するだけの資本力もない多くの中小企業は、やはり時代適応しながら、生き延びる術を探すことになる。
企業内からイノベーションを起こす上で、3つのことを掲げている。
- アイデア
- 資本
- 才能
アイデアを奨励する風土と文化が必要だ。
そのアイデアを具現化する資本は別枠だ。
才能のある人材を惹きつけることが重要だ。
言われていることは確かにわかる。
正論だとも理解できる。
しかし、一般的な中小企業には、どれも遠い話に聞こえてしまう。
では、中小企業の時代適応とは・・・現在でもデジタル化。オンライン化を、国が叫んでいる状況。(2020年)
DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉やMA(マーケティング・オートメーション)が進む時代。
AIの進化、社会インフラのデジタル装備は、ますます進む。
時代が進化しているのだから、これこそがイノベーションだ。
ネット広告配信も、日進月歩。
検索エンジンのアルゴリズムも、日進月歩で変わっていく。
スマートフォンの機能性と利便性が、社会インフラになり生活インフラとして役割を持っている。
消費者意識も行動も、まだまだ変わっていく。
音楽、動画、アプリ・・・進化が止まっていない。
中小企業は、真面目で誠実。
だから、コツコツと同じことを継続できる。
このコツコツを、イノベーションに活用してほしい。
この項目をもって、コトラーのマーケティング・コンセプトが終了。
書籍内では、まだまだ数多くの項目が列記されていたものの、既にマーケティング5.0が出版間近。
では、この本の最後の項目は何か・・・
【熱意】。
熱意に欠けるマーケターは不要であり、人生に熱中できる人間に限るべきだ。と締めくくっている。
中小企業は、顧客に真摯に向き合い、真面目に業務を行うものの、マーケティングが上手くない。
これからの時代は、中小企業にマーケティングが不可欠の時代。
モノづくり、顧客サービスはじめ、これまで懸命に取り組んできた業務内容に、【マーケティング】を加えてほしい。
そうすることで、これからの中小企業に活路が見いだせると確信している。